コーヒーミルを買ってみようと思うんだけど、種類があり過ぎてよくわからない…。
値段もピンキリだし、どれを買えばいいんだろう。おすすめを知りたい!
こんな疑問にお答えします。
「コーヒーマイスター」の私は、これまでカフェや喫茶店での勤務を通して、さまざまな種類のミルを使ってきました。
今回は、初心者の方でも手の届きやすい、おすすめのミル情報についてお伝えしますね!
自分でコーヒーを淹れるときに、欠かせないアイテムのひとつが「コーヒーミル」です。
ですが、コーヒーミルはたくさんのメーカーから発売されていて、種類が豊富なうえに値段もまちまち…。
コーヒー初心者の方にとっては、どうやって選べばいいのか難しいアイテムでもあると思います。
そこで今回は、これからおうちコーヒーを始めようと思っている方や、コーヒー初心者の方にむけて、コーヒーミルの選び方のポイントを紹介していきます。
- なぜコーヒーミルが必要なの?
- コーヒーミルの選び方のポイントを知りたい
- 初心者にも手が届きやすく、機能性のいいコーヒーミルがほしい
こんな疑問やお悩みを解決しますので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね!
コーヒー初心者こそ、ミルを使ってほしい理由
おいしいコーヒーを淹れるには「豆で購入し、ミルで挽く」が基本
コーヒーミルが必要な理由は、「コーヒーを、よりおいしく飲むため」です。
スーパーなどでは、もともと粉末にしてあるコーヒーが売られていますし、コーヒー豆の専門店でも豆を挽いて粉にしてもらうことは可能です。
どうせ後から粉にするなら、粉を買ったほうが楽だと思う人もいるでしょう。
ですが、焙煎を済ませたコーヒー豆は、農作物と同じで鮮度が少しずつ落ちていきます。
とくに粉にすると空気に触れる面積が増え、劣化スピードが速くなります。
真空パックされているコーヒー粉であれば多少は劣化スピードが遅くなるものの、やはり豆の状態よりは早く傷みます。
関連記事:「コーヒー豆の賞味期限は短い! 豆の正しい保存方法と長持ちさせるためのポイント」
ですから、自宅でコーヒーを淹れるのであれば毎回、淹れる直前に豆を挽き、少しでも新鮮な状態のコーヒーを飲むのがベストです。
コーヒーミルは、業務用として使われる高級なものだけではなく、一般家庭用で手の届きやすい価格のものもあります。
別記事「初心者でも簡単! おうちコーヒーの始め方【必要な器具・手順をマイスターが解説】」でも書いたのですが、自分でコーヒーを淹れたいと思ったら、ぜひ最初に揃えてほしいアイテムのひとつです。
「ミル」と「グラインダー」の違いは?
コーヒー豆を挽くときに使う器具は、「ミル」のほか「グラインダー」と呼ばれることもあります。
日本だと、カフェなどで使われる業務用の大きめの機械は「グラインダー」と呼ばれることが多いという意見もありますが、カフェでも普通に「ミル」と呼ぶこともあります。
このサイトでも、ミルとして統一しますね。
【初心者向け】コーヒーミルを選ぶときのポイント5つ
ここからは、実際にコーヒーミルを選んでいくときのポイントを紹介します。
初めてコーヒーミルを購入するときは、以下の5点について考えてみてください。
- 価格(予算は?)
- 挽き方(手動?それとも電動? それぞれにメリット・デメリットがあります)
- 用途(自宅のみのハンドドリップ用? アウトドアでも使う?)
- 機能性(ムラなく挽けるかどうか、など)
- お手入れのしやすさ(おいしさにも影響)
それぞれについて、詳しく解説していきますね。
①:価格(予算はどれくらい?)
コーヒーミルは、安ければ2,000円台ほどで手に入りますが、そこそこ高級なものになると2~5万円、そして業務用になると10万円を超えるようなものもあります。
高いほど機能性に優れている傾向はありますが、だからといって高級ミルでなければコーヒー豆が挽けないわけではありません。
コーヒー器具全般にいえることなのですが、最終的には「どこまでこだわるか?」の世界になってくるので、現在の自分にとって納得できるものを選ぶのが一番です。
始めたばかりの頃は、あまり複雑なものを買っても使いこなすのが難しい場合もあります。
そこで、まずは「予算」を決めてみてください。
②:挽き方(手動か、電動か)
コーヒーミルは、「手動式」と「電動式」の2タイプに大別されます。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので紹介しますね。
まずは、手動式のコーヒーミルからです。
手動式ミルのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
比較的安価な商品ラインナップが豊富 | 豆を均一に挽くことが難しい |
ゴリゴリと豆を挽いている実感が楽しめる | 挽き終わるまでに時間がかかる |
小型で省スペース | 一度に大量の豆を挽けない |
インテリアとしてもオシャレなものが多い | お手入れがしづらいものも |
屋外を含めて場所を問わずに使える | 挽き目の微調整が難しい |
続いて、電動式のミルについても見ていきましょう。
電動式ミルのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
短時間で挽き終わる | 作動音がうるさい |
一度に多くの豆を挽くことが可能 | コンセントがある場所でしか使えない |
挽き目の調整が簡単 | 摩擦熱が発生すると香りが飛びやすい |
挽いた粒の大きさが揃いやすい(機種による) | 値段が高め(1万円以上が中心) |
オシャレ家電として置けるものも | サイズがやや大きい |
まとめると、手動式は安い、小型でかわいらしい、手軽、外にも持ち運べるなどのメリットがあります。
一方、電動式は一度に素早くたくさん豆を挽ける、挽き目の調整がしやすいといったメリットがあります。
②:用途(どこで使うかを考えよう)
コーヒーミルは手動式・電動式ともに、製品によってコーヒーの挽き目(豆をどれくらい細かく挽けるか)に違いがあります。
たいていは「粗挽き~中挽き~中細挽き~細挽き」といったように調整できるので、スタンダードなペーパードリップはもちろん、ネルドリップなどさまざまな淹れ方に対応します。
手動式よりも電動式のミルのほうが、ダイヤルや目盛りなどで、より細かく調整しやすいのが特徴です。
ほとんどの手動式ミルは一度に挽ける豆の量が20~30g程度と少なめなのに対し、電動だと50g以上をまとめて挽ける商品が豊富です。
普段淹れるのは1~2人分のコーヒーということでしたら、手動式でも不便さは感じないでしょう。
また、電動ミルはあっという間に挽き終わりますが、使用できるのはコンセントのある場所に限られます。
アウトドアでコーヒーを楽しみたい人は手動がおすすめです。
④:機能性(ムラなく挽けるかどうか、など)
コーヒーミル選びでは、最終的には価格と機能のバランスで悩む人が多いと思います。
家庭用のミルとして使われる刃の形状には、大きく3種類あります。
- プロペラ式
- コニカル式
- フラット式
呼ばれ方が若干異なることもありますが、それぞれの特徴についてざっくりと紹介します。
プロペラ式
電動式のミルで使われる方法で、プロペラ上の歯を回転させることで豆を砕きます。
家庭用のミキサーやフードプロセッサーでもおなじみの形といえば、想像しやすいかもしれません。
コニカル式(コーン式)
手動式と電動式のミルのどちらでも使われています。
2つの刃のうち片方が「円錐状」になっており、それぞれの刃の間をコーヒー豆が通ることで粉砕(すりつぶすようなイメージ)します。
フラット式(臼式)
向き合った2つの刃で、裁断するようにコーヒー豆を切り刻みます。
コニカル式とは違い、両方の刃が平らであることが特徴です。
プロペラ式は安い電動ミルに使われていることが多いのですが、粉の粒が不揃いになりがちなので、あまりおすすめできません。
コニカル式かフラット式で、あとは価格やデザイン、その他の機能などで選んでいくといいと思います。
ただ、上で挙げたメリット・デメリットは機種によって差がでるのが正直なところ。
レビューを見つつ、多くの人が使っているスタンダードなミルから試してみるのがおすすめです。(後ほど、おすすめの機種を紹介します)
ちなみに「摩擦熱」は香りや風味を飛ばす原因に、「微粉」は雑味(味がクリアでない感じ)の原因になるといわれています。
ちょっと難しいかもしれませんので、各機種の商品説明などに書いてあった際には、どちらも出ないに越したことはないくらいに覚えておいてください。
⑤:お手入れのしやすさ
コーヒーミルを使っていると、コーヒー豆の油分や微粉などがたくさんつきます。
ミルの定期的なお手入れは、おいしいコーヒーを飲み続けるために不可欠な作業です。
お手入れ方法は基本的に、洗える部品は洗い、洗えないところは小型のブラシで微粉を取り除いたり、布で拭いたり…といった程度で構いません。
ただ、毎日のことになると意外と面倒なので、お手入れがしにくいミルよりは、しやすいミルを選んだほうがいいです。
多くのコーヒーミルは、お手入れのことを考えてパーツごとに分解できるようになっているのですが、作りが複雑なものだと外せる部分にも限界があります。
ミルの購入を検討するときは、どんな風にお手入れをすればいいのかまで気に留めてみてください。
高機能なミルは内部まで手が届かない場合もある一方、すべてのパーツを外して洗えるようなミルもあります。
刃の素材は以前は金属が中心でしたが、最近はセラミック製のものも出ています。セラミックは洗うことができるので、サビを気にせずお手入れしやすいです。
初心者にも使いやすい、おすすめのコーヒーミルを紹介します
ここからは、自宅でコーヒーを淹れるのを始めたばかりの人にも使いやすく、手頃な価格で購入しやすい、おすすめのミルを紹介していきます。
安くても、きちんと使えるものを挙げますので、よかったらこちらを参考にしてください。
カリタ Kalita コーヒーミル #42005
まず紹介するのは、コーヒー器具で超有名な「カリタ」という会社の定番ミルです。
カリタは手動式から電動式まで、多種多様なミルを発売しています。
デザインもクラシカルで、コーヒーを始めたばかりの人は心が弾むはず。
ネジを回すことで挽き目の調整もできるので、まず自宅でハンドドリップを楽しんでみたいという人に、積極的におすすめできるミルです。
下の粉受け部分の容量は約25gで、1~2人分のコーヒー豆が一度に挽けます。
ポーレックス コーヒーミル2 シリーズ
次は、ポーレックスという会社のミルです。個人的には、こちらがかなりおすすめです。
この商品の最大のメリットは、刃がセラミック製になっていて、各パーツを分解して丸洗いができること。
こちらはミニサイズのもので、約20g(約2人分)のコーヒー豆を挽くことができます。
以前から人気があった商品ですが、リニューアルされて旧タイプより約1.3倍多く挽けるようになったのと、よりなめらかな挽き心地に変わりました。
同シリーズで、もう一回り大きめのサイズもあります。
こちらだと、約30g(約3人分)のコーヒー豆が一度に挽けます。
なぜだかミニと価格が同じなので、コンパクトさにこだわらないのであれば、こちらにしておくといいと思います。
筒状になっているので、挽いた粉を出すときにこぼしにくいのもおすすめポイント。
アウトドアでコーヒーを楽しむ人にも愛用者が多いミルです。
まとめ:コーヒー初心者に使いやすいミル選びのポイント
今回見てきた5つのポイント、人によってどの部分を重視するかは違うと思います。
- 価格(予算は?)
- 挽き方(手動?それとも電動? それぞれにメリット・デメリットがあります)
- 用途(自宅のみのハンドドリップ用? アウトドアでも使う?)
- 機能性(ムラなく挽けるかどうか、など)
- お手入れのしやすさ(おいしさにも影響)
コーヒーに詳しい人や専門家は、だいたい「コーヒーミルは、できるだけ微粉や摩擦熱が出ず、豆を均一に挽けるものを選ぶべき」といいます。
もちろん、それは正しいと思っていますが、いきなりハイスペックなミルや数万円もするミルに手を出すのは大変です。
ちなみに私自身、コーヒーを始めた当初、自宅では安い手動のミルを使っていました。
その後、さまざまなミルを使うようになって「ミルによって味や香りの違い、使い勝手などがこれだけ違うんだ!」と気づくのも面白かったです。
そこからいくつか買い直し、現在は手動と電動のミルを両方持っています。
コーヒーの知識が深まってくると、より上位の機種がほしくなることがあります。
個人的には、まずは安く買えて、自分で挽いている実感が楽しめる手動のミルから始めるのをおすすめすることが多いです。
コーヒーのことがわかってきて、もっとおいしく飲みたい欲が高まってきたときに、ランクアップさせたミルを買うのもいいのではないでしょうか?
ぜひ、豆から挽いてゆっくり淹れるコーヒー体験を楽しんでみてください。